アドバイザーより大会に出場する選手の皆様へ


峨山道トレイルラン、いよいよ大会まであと2日となりました。
参加予定の皆様、コンディションはいかがでしょうか。

改めまして、峨山道トレイルランに多数のエントリーを頂き、ありがとうございました。

主催の峨山道トレイルラン実行委員会よりお声かけいただき、アドバイザーとしてこのレースに携わることができたことを、とても幸せに感じております。

大会前日の競技説明会に参加できない選手の方もいらっしゃると思いますので、競技説明会でお話ししたいと思っている事をこの場にてお伝えしたいと思います。


この大会では、選手の皆様にいくつかルールを設定させていただきました。 そのルールを決めるにあたり、大切に考えている本大会のコンセプトについてご説明します。

初回の打ち合わせにおいて、峨山道トレイルランを開催する意味について、なぜ今、なぜこの場所で開催するのか、深く議論を行いました。

きらびやかな演出の中、豪華なエイドやサポートしてくれる仲間に支えられて走る大会も素晴らしいけれども、この土地や道、そこを歩いてきた人々といった背景を大切に考えると、己の走力、知力、経験を生かして静かに自分自身と向き合い、限界に挑戦しながら走る大会こそが歴史古道「峨山道」で行うトレイルランニングレースにふさわしいのではないか。

自然と全員の意見が一致していたその時が、この大会のコンセプトを決めた瞬間でした。

一方で、山を走る意味や目的、スタイルは人それぞれであること、そんなトレイルランナーの精神的多様性は尊重したい。レースであることも大事にし、競技性を求める選手の考え方も、完走を目標に旅をする選手の価値観も大切にしたい。

このような考えのもと、コンセプトを大切にする部分と安全確保のうえで必要な点においては厳格なルールを設定し、それ以外はできるだけ制限が少なくなるようなルールを設定しました。

ルールの設定において、参加選手には以下のような能力を要求しています。

  • 73km の山岳コースを走りきるために必要な身体能力
  • 誘導看板やマーキングの情報を理解し、コースマップおよびコンパス等を用いて、正しいコースを進むことができるナビゲーション能力
  • 天候やコンディションに合わせて服装、装備を選択し、必要な行動食、飲料水を携行できる計画能力
  • 体調の変化に留意し、異常を感じた際に余裕をもって競技を取りやめることができる自己管理能力

この考え方に基づいて、選手の皆様には十分な準備と鍛錬のもとでの参加をお願いしています。


能登には「能登はやさしや土までも」という言葉がありますが、これは能登の風土を表したもので、人はもとより土までも優しい(柔らかい)という意味だと言われています。

峨山道を歩いてみると、山が低く、波のように稜線が続いている能登の特徴的な景色を見ることができます。

その山々を通るのは、まさに土までも優しいという表現がぴったりな広くて柔らかいトレイル。

山を越えれば里を通り、また次の山へ向かう。

新緑がまぶしいこの時期は、里に下りればちょうど稲苗が植えられたばかりの水田が水をたたえて輝いているはずです。

これぞ里山といった日本らしい風景と、その里々での人との出会いを繋いでいたのがこの峨山道であったのだと思います。


650年以上の昔、今とは景色は多少違えど、そんな土地と人とを繋いでいた峨山道を駈けぬけたであろう峨山禅師の往来の様子、そしてスピード感を思い浮かべながら走っていただけたらと思います。

選手の皆様の健闘を心から願っております。

峨山道トレイルラン アドバイザー
円井 基史
相羽 大輔